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男に“少し待って”と告げ、ロリーナ姉さんの服に手をかける。そして、ロリーナ姉さんの服を私は着て、長く伸びきった髪を腰辺りまで切った。もちろんロリーナ姉さんには毛布を掛けておいた。
これが私の決断。
ロリーナ姉さんのことは忘れられない。でも、この思いは消さなければいけない。だから、髪を切った。
男は、私の姿に少し眉を動かしたが、特に何も言わなかった。そして、私に再び手を差し出す。その手に自分の手を重ねる。
それが、合図。
突如、地面に穴があき私たちは落ちてゆく。言葉などなく、ただ私たちは一緒にゆっくりと落ちていった。私は急な眠気に襲われ、目を閉じた。次、目を開けた時は温かさが溢れる世界にいることを信じて。
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