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こわぁいこわぁい黒兎がいるらしい。そう俺は住人に教えられた。でも、なんとも思わなかった。
「あーあ、だりぃ。何がこわぁい黒兎だよ、居ねぇよそんなの」
黒の国の森の中を、歩きながら果物を探していた。すると、背後から殺気を感じて、振り返ると同時にナイフを殺気目掛けて投げた。
「わっ、危ないなぁ……」
ナイフをキィンと何かで跳ね返せば、殺気をだしていた奴は表情変えずに“危なかった”と呟いた。俺はそいつを目を細めて確認した。大きいハサミ、黒い兎耳、黒兎だ。
「もしかして、あんたが怖い黒兎?」
「なんの話…?」
「ここら辺、怖い黒兎がいてるって住人から聞いた。あんたじゃないのか?」
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