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「な、なぁ…」
「なんで、なんで僕だったの…!なんで僕は黒兎なの…っ」
狂ったかのように黒兎は叫び続ける。頭を抑え、泣いているのではと思うぐらいに苦しい表情をしている。
「黒兎!」
俺は叫んだ。放っておいたら黒兎が壊れそうだったから。自ら命を絶ちそうだったから。
黒兎は、ぴたりと叫ぶのを止め、ゆっくりと俺の方を向く。光のない瞳。表情がいっさい無い顔。冷たい、空気。
「まず言おう。俺は、アリスじゃない。リクだ。リク=ベルギアレス、アリスなんかじゃない」
「アリスは、アリスだよ…?」
「いや、まぁ服はアリスっぽい服だけどさぁ…俺、男なんだけど」
「問題ない」
「ちょっと黙れ、シリアスな雰囲気がぶち壊しだろ」
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