サツジンハン

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「あぁ~だりぃ」 鍋山が車から降りて、溜め息をつく。 ―――――ここは、依頼主の家の前。辺りは森しかなく、いかにも『お化け屋敷』という感じだ。 「いやぁ―っ、立派な家っすねぇ!! ここで殺人事件の依頼って(笑) いかにもっすねぇ!!」 岸は、相変わらず子供のように、はしゃいでいる。 「勘違いするなよ。俺らは殺人予告を止めに来たんだからな」 鍋山が岸に注意する。 まぁ、あまり効果があるとは本人も思ってないが。 「殺人予告なんて………止めて欲しいとでも思ってるのか!?? 殺したいなら静かに殺せ。 『効率が悪い』のは嫌いだ」 宇都宮がイライラしながら言う。 宇都宮は極端に回りくどいことを嫌う。 殺人においても、日常においても、彼にとって何が変わるわけではない。 ただ―――『簡潔』にやってほしい。 殺人にも、日常にも、ストーリーは必要ないのだ。
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