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「確かにな。だが、まぁそれもお前の我が儘だ。その顔で何言っても、嫌味にしか聞こえないさ」
「この顔で生まれてきたのは、俺のせいじゃないのに?」
レイドは「その顔だっただけ、感謝しとけ」と鼻で笑いながら言う。
「あ~、彼女が出来たら、感謝でもお祈りでも、何でもするのに~」
俺が机に突っ伏しながら言うと、「実現したらしないくせに、よく言う」なんて言葉が振ってきた。実に失礼なおトモダチだ。
だが今の俺には、彼女やヴァルシェよりも必要なものがある。そう、金。金がないと死んじゃう。
「あーもう、それよりさぁ、金貸してくれよ」
「……しつこい奴だな」
「死活問題なんでね。利子付けるからさぁ、頼むよ」
俺は当初の目的を思い出し、話を戻すことにした。レイドがあからさまに嫌な顔をする。自分でも、なかなか嫌な奴だと自負しているので、どうこう言うつもりはないが。
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