金がない

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「……探してもムダだ。それに、そんなもん邪魔なだけだ」 「なら、せめて恋人をつくれ。お前を止められるだけの、肝の据わった彼女をな」  自分が衝動買いをしてしまうのを理解していながら、自分の力じゃどうにもできないこの無力感。もうホント、俺の浪費癖は誰かに止めてもらわないと、どうにもならない。  レイドの言う通り、常に一緒に居てくれる、厳しくて美人な恋人をつくるか、しっかりした相棒――ヴァルシェを見つけるしか方法はない。そしてそのどちらも、存在する確立は……極めて低い。  埋めていた顔を上げ、それをレイドに伝える。 「俺がモテないの知ってるだろ。おまけに、好きになるのは人の女ばっかりだ」  そんなこんなで、俺には恋人が出来ない。俺がいつも好きになるのは、大抵が彼氏持ち、悪い時は夫持ち、最悪の場合、子持ち……なんてこともある。どうにも、俺は年上女性を好きになる傾向があるようだ。 「……お前を煽てるわけじゃないが、女が皆、気後れしてるだけだ。正直なところ、よほど自分の容姿に自信がある女じゃなけりゃ、お前の隣を腕組んで歩こうとは思わないだろうよ」
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