営内班。

17/18
前へ
/30ページ
次へ
「分隊整列!」 射撃演習を終えた分隊は副分隊長鳩山伍長の号令により、分隊長の田中軍曹そして副分隊長の鳩山伍長と向い合う形で、残りの八名が横一列に整列する。 「分隊長殿。講評を御願い致します」 「講評を行う。本日の演習は概ね良好であった。次は極めて良好と俺に言わせる様に心掛けろ。質問はあるか?」 「はい!」 堂麟は真先に手を上げていた。 「十河二等卒、質問を許す。何か」 「はい。工兵が何故鉄砲を撃たなければならないのでありますか?」 「!」 一瞬にして場が凍付いた。特に新兵の教育掛である乙保稲はこめかみの辺りをしきりに痙攣させ、全身から 俺に恥をかかせやがって…営内に帰ったら覚えていろよ十河貴様! …と言わんばかりの怒気を立ち上らせている。興津が真っ青な顔で十河を見ている事からも、その怒気がいかに凄かったかを雄弁に物語っていた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加