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しかし堂麟は歯を食いしばってこの重労働に耐えた。
地鉄の機関士であった父の影響で、堂麟は子モグラ時分から将来は地鉄の機関士になると心に決めていたのである。
そして小田原機関区に配属されてからちょうど一年後、それまでの努力と根性が実り、堂麟は京都の梅小路機関区に機関助士見習として採用される事が決まったのである。
当時交際中であり、後に堂麟の愛妻となる菜野花静(なのはな=しづ)は、この吉報を聞くなり我がことのように喜んだ。
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