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退院してから何ヶ月も失意の日々を送っていた堂麟。
だが彼には強い味方がいたのだ。堂麟を見放す事なく彼の目となり支えとなっていた、はとガール(地鉄の看板特急の一つであった、特急はとに乗務する女子乗務員)菜野花静である。
やがて静の思いに応えるべく一念発起した堂麟は車掌となるべく努力に努力を重ね、遂に車掌に採用され堂々の復活を遂げたのだ。
そして堂麟は一年後に急行車掌に大抜擢され、遂に静を嫁に迎えたのである。
静がはとガールのゴールイン第一号であった事から、地鉄の全額負担によりまるで千両役者同士の結婚を思わせるような披露宴が執り行われ、二人の結婚式はラジヲ中継は行われるわ新聞の一面は飾るわの一大イベントと化したのであった。
堂麟の元に帝国陸軍からの召集令状が届いたのは、それから一ヶ月後の事である。
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