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「何でしょうか乙保稲一等卒?」
営内班長(分隊長。帝国陸軍では幾つかの分隊=営内班に新兵を振分けて教育している。)である田中軍曹に言い付けられた用事…襟布(えりふ。布製の襟カラー。)を取替えていた十河は、ごく普通の口調でそう返事をしたのだが…。
バキッ!
いきなり鈍い音を立てて、乙保稲の鉄爪(てっそう。人間界の鉄拳に相当する。)が十河の頬にめり込む。そして乙保稲一等卒が口を開いた。
「まだ娑婆気(しゃばっけ。一般社会にいる気分。)が抜けとらんのか貴様!。
何でありますか乙保稲一等卒殿
…だ!
やり直し!」
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