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教室に向かう途中、渡り廊下に出た瞬間───
「うわあ……っ」
桜吹雪が舞った。
渡り廊下のすぐ横を見ると、大きな大きな桜の木が1本、立っていた。
「すごい……きれい…」
一面、鮮やかなピンクになるほどの桜の花びら。
僕の足は自然と止まっていた。
「あぁ、この桜の木は、この学園の売りでもあるからな。この季節になると、みんな見に来るんだよ。」
「へぇー。そうだったんだ…」
宮田先生は、僕に説明した後、止めていた足を動かし始めたから、僕も歩き始めた時…。
「………あ」
桜の木の下に誰かが寝そべっているのに気が付いた。
相手も僕に気がついたらしく、僕のことをじっと見ている。
えっ……なんか、目が話せない……それに…胸がドキドキうるさい…?
僕が目を反らせずにいると、その人は僕を見て微笑んだ。
「……っ!!」
ドキン─…!!
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