第二章

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――― 「はぁ…」 俺は襖が閉まったのを確認してから、ため息を着いた。 なんか厄介そうな兄弟が入ってきたな…。 しかも、あの弟がまた…。 頭の回転のいいやつは扱いにくいな全く…。 あぁ…頭いてっ。 「そんなに悩まなくていいだろう?歳。」 近藤さんが隣で笑っている。 「確かに…あいつらは悪い奴らじゃない。 だが、出身がわからないんだ。 …おい、山崎。」 「はい。」 山崎を呼ぶと目の前に現れた。 「あの兄弟の調査と監視を頼む。島田と協力してやってくれ。 頼んだぞ。」 「御意。」 山崎はすぐに姿を消した。 「歳…あいつらを信じてやってくれないか?あいつらの目はとても澄んでいて、汚れていなかったんだ。 絶対にいいやつらだ。」 近藤さんが悲しそうに言う。 でも… 「一応…念のためだ。 ごめんな、近藤さん。」 俺は近藤さんのためなら、なんだってする。少しでも疑う余地があるのなら…俺は手を抜くつもりはない…。 俺は…近藤さんのために 鬼になる… ―――
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