第三章

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俺は後ろへ振り向いた。 そこには俺より少し背の高い、人懐っこい笑顔のイケメンがいた。 なんか守にどことなく似てるな。 ということは、こいつ腹黒だな。 …ってか、何故ここはやたらイケメン率が高い。 「あなた、見ない顔ですね。 平助の言っていた入隊者ですね?」 そういうと腹黒青年は俺の顔をまじまじと覗きこんできた。 「…あぁ。昨日入った、春良大貴だ。 よろしくな。」 俺は一歩、間を空けるように下がって、笑顔を作った。 「えぇ。こちらこそです。 私は沖田総司です。 あなた…道に迷っていたんでしょう。 よかったら行きたい場所に案内しましょうか?」 腹黒青年は笑いながら言ってきた。 恥ずかしながら事実なので、頼むことにする。 …って、沖田総司!? 「ええぇぇぇーーーー!?」 これまた有名人ー。 って、ここにいるのは当たり前だから、会うのも当たり前か。 総司青年は顔しかめていた。 「五月蝿いですよ、大貴。 あっ、私のことは総司って呼んで下さい。」 「おっ…おぅ。」 「さぁ、どこに行きたかったんですか?」 「…道場のとこに。」 「あぁ…あそこですか。 じゃあ、いきましょうか。」 総司に並んで俺は歩き始めた。
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