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道場は俺が迷っていた場所に近く、すぐに着いた。
俺達は中に入っていった。
道場の中は外見よりは、広く見えた。
「大貴、私と勝負しませんか?」
総司が満面の笑みで言ってきた。
でもさぁ、総司って、天才剣士って言われてたよな?
…俺なんかが太刀打ちできるのか…。
「ん~…やめとくよ。」
別に戦いのために道場来たわけじゃないしな。
「まぁまぁ、そんなこと言わずに。
…木刀持ってきますね。」
そういうと、奥の方に行ってしまった。
俺の意見聞いた意味ないじゃん。
はぁ…。
「はい、どうぞ。
一本取ったら終了ですからね。」
「…あぁ。」
やる気満々だな、おい。
まぁ…、負ける気はしないけど。
俺は笑った。
俺たちは道場の真ん中の方へ行き、礼をすると構えた。
「それじゃあ、始め」
総司が始めの合図をかけてくれたが、どちらも動かずに、殺気を放ち始めた。
「来ないなら、私から」
総司は物凄い速さで踏み込み、攻撃してきた。
目にも留まらぬ速さだが、俺はにやりと笑った。
これは、楽しくなりそうだ。
俺は攻撃を受け流し続ける。
本物の男と真正面から戦うなんてのは利口じゃない。男と女の力の差は歴然としている。
女で鍛えてもやはり限界はある。
俺は両親がいないことでいじめられることが多かった。殴られたり蹴られたりは普通だった。
その時に学んだのは、力で無理なら…ほかのもので補うということ。
だから俺は速さ、体力を磨いた。
「受け身ばかりではやられてしまいますよ?」
総司が余裕の表情で挑発してくる。
「…油断大敵だぜ?」
俺も負けじと笑って見せる。
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