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『大変だねぇ』
目の前に現れたホワイトボードに達筆で書かれた文字の羅列を見た友久は、顔をそれを出した本人の方に向けました。
「嵯峨崎君、おはよう」
『おはよう、釜井君』
嵯峨崎峻(さがさき しゅん)はいつ見てもずっと無表情なままです。
元々喋るのが苦手な峻は、ホワイトボードに文字を書いていけば意志疎通ができると考え、それを実行にうつしました。
ホワイトボードには色々な色の文字や顔文字、時にはイラストが描かれ華やかなのですが、峻本人はいつも無表情です。
本人曰く、ホワイトボードで感情を表現しているとか。
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