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撫子は中学三年生という今時の女の子、しかも可愛い容姿に出るとこはシッカリ出てるし、引っ込むとこはシッカリ引っ込んでいる最強スタイル。成績はトップクラスで運動神経抜群。家事炊事パーフェクトで性格良し。はい、先生、ここに超人が居ます。
いや、もう、アレだね! 兄さんに依存してなきゃ嫁の貰い手わんさかよ? 身内フィルターを差し引いても凄いんだからね!
そんな娘が上目遣いしてみーよ、想像してみーよ。破壊力高ぇぜ? 俺には杏子フィールドがあるから意味無いがな。はっ!
「ん、何だ、このヒエラルキーの天辺め」
「いつから私は頂点に立ったんですか…。じゃなくて、兄さん。今日から新しい学校なんですから確認しておきますけど、学校での普段の態度は――」
「『俺に』『話しかけるな』『構わないでくれ』の『おはか三原則』だろ? 判ってるよ」
撫子が完全に言い切る前に、繋げるように俺が遮る。全く、解りきったことを言いおってっからに。
「いえ、確かに内心そうして欲しいとは思っていますが、違います。というか、名前が不吉ですよ、兄さん」
なん……だと? 独りぼっち羞恥プレイじゃないのか? では、なっちゃんは我に何を言いたいというのだろう。おじさんには皆目見当もつかんとです。
「もぅ、やっぱりわかってない。兄さんは、常にゲームや音楽プレイヤーなどを使って、極力他の女性の方と関わらないようにしてください」
「なんだ。そんなのいつもの事じゃないか」
俺には二次元だけあればいい。他には何も望まんとです。
「そうです。いつもと同じように、私だけを見ていれば良いんです」
……………………え?
なっちゃんの一言が、俺の存在意義を否定した。杏子のいない日常なんて認めない。そんな世界はなくなればいい。
そして、俺はいつから撫子のみを見ていたというんだ。なぁ、おまえら……こんな世界で満足か? 俺は……嫌だね。
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