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ここはどこだろう。
頭がすごくいたい。
薄暗い部屋にいるみたい。
まわりを見ると、部屋にまどはなく、へんな四角い木の箱(?)がある。
あっ、あと、大人の人が何人かいるみたい。薄暗いからよく見えないけど、みんなイライラしているのか、顔がこわい。
「………ん…」
(?)
僕のとなりにもうひとりいる。🌕🌕🌕ちゃんだ。🌕🌕🌕ちゃんは口に布をくわえて芋虫みたいにもぞもぞと動く。
よく見たら、両手と両足が縛られていた。前にたしか、お父さんの持っているマンガにも同じような絵があったな。流行ってるのかな?
(あれ? そういえば、僕も縛られてる)
通りで体がいたいと思った。納得だよ。
ん? でも、なんで頭もいたいんだろう。
おぼえていない。そもそも、僕と🌕🌕🌕ちゃんも、なんでこんなところにいるんだ? ん~~~………ま、いっか。
そんなことなんかより、今が何時ごろなのかが気になる。僕の家はともかく、🌕🌕🌕ちゃんのお父さんは時間にきびしい。早く帰してあげなきゃ。
「……🌕🌕🌕ちゃん」
僕は小声でとなりにいる女の子に話しかける。童謡みたいな名前の女の子は僕に気づき、こっちを見上げる。
でも、口に布があって喋れないみたい。残念。
「……ねぇ、僕らどうし――」
バン、と僕の言葉をさえぎるように部屋のドアが開かれた。
ドアから明かりが入り、ここが部屋ではなく広いたてものの中だと知った。
「あ」
ドアを開け、中に入ってきたのは、僕のお父さんだった。僕のお父さんはけーさつとか言う正義の味方で、後ろにぶかの女の人も入ってきた。
(やった。なんかよくわからないけど、これで🌕🌕🌕ちゃんがお家に帰れる)
僕は安心した。
でも、🌕🌕🌕ちゃんの顔はとても青く(って言うのかな?)、おびえたような表情をしていた。
僕はなんで🌕🌕🌕ちゃんが、このとき、こんな顔をしていたのかふしぎでしかたなかった。
でも、すぐに僕は理解することになった。だって、
怖い顔をした大人の人たちは、お父さんたちを見て笑っていたのだから。
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