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「まぁ、お蔭で兄さんと二人暮らしできま――」
「まぁ、一番の理由は、ゲーム(主にギャルゲー、エロゲー)をやりたいからなんだけどね!」
撫子が今ボソッとなんか言ってたけど、どうせ俺の世話が面倒だー、とかだろ。聞き流せ。
「兄さん……!」
………ん? 撫子さんから何かオーラを感じる。何故だろう。とっても怖いぜ!
「落ち着け、妹。とりあえず、一旦荷物を片付けようではないか。週明けには学校もあるんだし、いろいろ大変だぞぅ?」
怖いので、話をそらす。ちなみに言っとくが、チキンじゃないぞ?
気づいたら実家から持ってきた撫子愛用の包丁を逆手に握ってたんだ。当然の反応だと俺は思う。
「はぁ。まったく、仕方がない人ですね。今のは聞かなかったことにしてあげますから、兄さんは罰として荷物を全部運んでください。私は軽い物から荷物を出してますから」
…………ん? 全部運ぶの、俺? 一人で? 殺す気?
「兄さん、返事は?」
「アイサーオフィサー」
兄は弱し。されど妹は強し。
うん、怖いですね。わかります。
◆◆◆
「………さん、起きてください。兄さん」
「………うぅん」
朝。妹の可愛い声に目が覚める。
………チ、もう朝か。深夜にやってる羽美様(杏子の中の人)のラジオ聴いてたから眠いぜよ。
「まったく、だらしないなぁ。今日から学校始まるんですから、もっとシャキッとして下さい」
我が妹は今日も俺様の顔を見る度に呆れ顔になる。ほんと、世話をかける兄でごめんなさいね。生まれ変わったら、二次元になりたい。
「うぅ……眠いぜよ」
俺は25°ぐらいまで腰を浮かせたが、杏子の抱き枕が視界に入り、再びベッドへダイブ。ただいま、ボクの嫁。
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