悲しみの先に…

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「母さんたちの所に行かないか?気分悪い?」 岳ちゃんはそう言って、 私の顔を覗きこむ。 「うん…行こうか?」 にっこり笑ってその場所に向かう。 いつものように2か所… 岳ちゃんのパパたちと、 私たちのパパとママ。 そこでこれからを誓った。 これからも…ちゃんと家族だから安心してね…って、 そして、私たちが家族であったこと… 心からお礼を言った。 「岳ちゃんは…いつ…知ったの?パパたちから直接聞いたの? それともあの手紙?」 お墓参りをしながら問いかけると、岳ちゃんは少し気まずそうな顔をして、 「 高校卒業の時だよ。だから…いじけて一人暮らしをしたんだ…」 そう言いながら、お墓を見つめ、 「 遅咲きの…反抗期ってやつだな。きっと…」って 乾いた笑い声を上げていた。
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