悲しみの先に…

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~相沢 陽 様~ この手紙を読んでいる陽は何歳の陽ですか? 今、君は、リビングの定位置で…まだあどけない寝顔して寝ています。 もうじき中学生になります。少し…パパの事を煙たく思う年齢になってきましたね。 平気な振りをしていますが…実はそれが…寂しかったりします。 この手紙を読んでいる陽が、パパの事を嫌いでない事を祈っています。 君は、僕たちよりも、岳の傍が一番好きで、 岳のお嫁さんになるんだと言っていた小さい頃を覚えてますか? それは、大人になったらきっと忘れてしまうね… それとも覚えてて、恥ずかしそうに『昔の子供の頃の事じゃない』と笑い飛ばすかな? パパは…その時の気持ちを…忘れないでいてほしいって思っています。 君が…大人になって、本当の事を知る時に、 僕が、くじけないためにこの手紙を残します。 君の成長を見つめながら、 何度も書き直すかもしれないけど、今思うことを綴っておくよ。 岳の両親と…陽の両親は違います。 岳の両親は…ママの同級生夫婦で… 父親は、パパも一緒に登っていた登山中の事故で亡くなりました。 母親は…岳を生んで3日後…もともと体の弱い人でしたので、 衰弱して亡くなりました。
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