―その名は真実屋―

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「紹介しよう。私がこの店の主、花笠カレンだ。 そして私の隣でモタモタと紅茶をついでいるのが 助手の久島聡だ。」 カレンが紹介しおわると 聡がすかさず 「カレン……その乱暴な紹介やめてよ…なんだよモタモタ紅茶をついでるって……」 と、独り言のように 愚痴をこぼしていた。 「で……あなた方が 私に持ってきた謎とは何か話してもらえるかな。」 聡の愚痴を軽くスルーして、カレンは客に問いかけた。 客の女は こんな子供に話していいのかと迷いながらも、 話始めた。 「この前、私たちの家に 空き巣が入ったんですよ。 その犯人は捕まったんですけど…… 犯人が証言している犯行時刻には、ここにいる夫は家にいたと言ってるんですよ。」 「私は仕事で家を出ていたので、 よくわからなくて、 なのであなたにどちらの言ってることが 正しいかを教えてほしくて…。」 ここまで言うと 女はチラッと、カレンを 見た。 「………クークー。」 カレンは静かな寝息を たてていた。
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