夏の思い出は幽かな香りを漂わす。

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秘密基地の入り口は開かれて中の様子が見える。 珍しく皆が揃っており、なんだか皆暗い表情を浮かべている。 ここは一つ脅かしてやろうと忍び足で入り口に近づき─── 「わ「「「ぎゃーーー!!」」」 あれ…わーと脅かす前にぎゃーーーと皆に驚かれてしまった。 顔面蒼白、まさにそんな感じ。 「おっおい…そんなに驚かなくっても…まるで死んだ人が化けて出たようなリアクションしなくても…」 額の汗を拭いながらそう呟くと、皆の顔がさらに青くなっていく。 沈黙… なにやら状況が掴めない僕はとりあえず中に入ろうと一歩踏み出すと 「「「ひっ!」」」 皆して壁に背中がつくほど後ずさる。 「なんだ?お前ら…どうしたって言うんだ?」 そこで一人体のでかい男、三神嘉景(みかみよしかげ)が声と顔を引きつらせながら言う。 「悪い冗談はよしてくれ…」 「はぁ?」 「だから冗談でもなんでもねぇ、お前は化けて出たんだ…」 「…いまいち状況が掴めない…つまり俺はどうしたんだ?」 「お前は1週間前に死んだんだ…」 「…」 「「「…」」」 「マジ?」 「「「マジ」」」 皆が声を揃えてそういった。
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