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おじいちゃんの葬式は覚えていないませんが、ある日、少し離れた場所にある、しんちゃんという同い年の子のおじいちゃんが死にました。
葬式の記憶はありませんが火葬の記憶はあります。
しんちゃんとワタシの家の間には渓流があって、少し広めの中洲があります。
そこに 大人達が集まって木材でやぐらを組むのです。大きいやぐらです。
その上にしんちゃんのおじいちゃんのおかんを乗せ火をつけます。とても大きい火になります。
大人はワタシに「火が着いてくると手が延びたりするんだ」と教えてくれました。
怖くはなかったけれど 確認できたので帰りました。
そののち しんちゃんとは仲良くなりますが しんちゃんは絶対 ワタシの家には遊びに来ません。その火葬場の側を通って来なくてはならないからです。
人の気持ちがわからなくて、しんちゃんは、なんて気が小さいのだろうと馬鹿にしていたように思います。
その 中洲での 火葬はしんちゃんのおじいちゃんが最後でした。
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