2章─18歳の誕生日

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「うるさいな……これ、壊していい?」 部屋に足を踏み入れ羽をとじシェイドは穂波の足元に落ちているいまだに通話中で一樹が叫んでいる携帯を拾い、穂波は首を横に振る。 「じゃあこれ静かにして?」 羽を羽ばたかせると抜けた羽がゆらゆらと部屋に落ちる。 穂波はシェイドから携帯を受け取るとそれを耳に当てる。 「か、一樹。ごめん、あたし一瞬寝てて……うん。違う、多分寝言……うん、おやすみ……」 携帯を切りシェイドを見上げる。 「アイリス、オレの事覚えてる?」 「……小さい頃に会った事ありますよね?あたし達」 恐る恐る声を発する。 叫ばれなかっただけでも充分なのに、話しかけてもらえ小さい頃の事を覚えている事に嬉しくなりシェイドは笑みを浮かべる。
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