2章─18歳の誕生日

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授業中こっそりと鏡を見つめ耳にあるピアスを触る。 かたい作り物の羽。 ポケットからシェイドの羽を取り出し触る。 (柔らかい……) シェイドの羽は手に持っていないような感覚に陥るほど軽く柔らかい。 穂波の頭にシェイドが浮かぶ。 小さい頃に逢った時の記憶を辿り思うのは、あの頃からシェイドの見た目が変わらない。と言うこと。 小さい頃の記憶なんて曖昧で夢だと思っていた時に現れた羽を持つ男の人。 『アイリス』 「っ……」 シェイドがアイリスと呼んでいたことを思い出すと、穂波の頭が軽く痛みだした。 眉を寄せこめかみを押さえる。 元々偏頭痛はよくあることで穂波は痛みをじっと耐える。 そんな穂波を空から見ている人物が3人。
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