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鬼は無言のまま子供の前に現れます。
子供は怯えたように身を竦ませますが鬼は気にした様子もなく子供を抱き上げ跳躍します。
子供は喰われると目を堅く閉じフルフルと震えていましたが不意に凄まじい異臭を感じなくなりました。
子供が恐る恐る目を開けると周りに綺麗なお花畑と中心に泉がある場所に出ました。
鬼は子供を泉の前で下ろすと近くの木の上に行ってしまいました。
「のめ……って………こと？」
子供は苦しそうに呟きながらも泉の水を両手で掬って飲みました。
すると、さっきまでの酷い痛みや苦しみが消え体の模様も薄くなりました。
子供は無我夢中で泉の水を飲みました。
飲めば飲むほど体を蝕んでいた病が無くなっていくのが分かりました。
子供は凄く元気になりました。
「わぁ……治った！治った！有り難う鬼さん！有り難う！」
木の上に座る鬼にお礼を告げました。
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