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鬼は何の反応もしませんでした。
ですが子供はそれでもお礼が言いたかったのです。
暫く嬉しそうにしていた子供は不意に泣きそうな表情になります。
鬼はまた子供を無表情に見つめました。
子供は鬼が自分を心配してくれていると思ったのです。
「僕……お家に帰れないんだ。お母さんがもう僕はいらないって」
そう子供は病にかかった為親に捨てられてしまったのです。
青白病は他人にも移る病ですから仕方のないことでしょう。
すると鬼はまた子供に近付き子供を抱き上げ今度は走り出しました。
子供は何が起こったのか分かりませんでした。
すると、とある大きな屋敷に子供は連れてこられました。
見たこともない屋敷は大きく綺麗でしたがまるで森に守られるようにしてありました。
「此処に………住んでいいの?」
鬼は何も言いませんが子供を屋敷の中に入れるとどこかへ消えていきました。
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