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「うぅーん」
「どったの、りっくん?そんなむず痒そうな顔して」
オレの眼前の少女、猿渡瑞季は不思議そうな顔をする。
現在登校中、天気は快晴だ。雲ひとつない青空の下を、オレと瑞季は歩いていた。
「いや、なんだ。こうも晴れてると、いつもなんとなく居心地が悪いというかなんというか……」
「晴れ、嫌いなのかい?」
「別に嫌いってほどじゃないけどな。まぁイエスかノーでいえば……イエスになんのか。どっちかっつったら苦手っていうか」
「ふーん、なんか意外かも。ほら、『戌は喜びなんとやら』って言うし」
「『庭駆け回る』な。そこまで言ったら思い出せよ。しかもその天気は雪だ」
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