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会う度にキスをし、抱き合い重なり合う
そんな付き合いが終わるのは、卒業を間じかに控えた頃
彼女は小さな会社の社長の娘、私には大学へ通う気もなく雑貨屋に就職を決める
「貴方はなんにも考えてない…」
彼女はそう私を罵った
大学へ通う彼女と、週末も仕事の私
時間のすれ違い、感情のすれ違い
「もう、無理だと思うの」
彼女がそう言いだすのに、時間はかからなかった
先を考える彼女と、今が愉しければそれで良いと思っていた私
愚かなのは私の方だろう
それからは、タガが外れたように遊んだ
雑貨屋がテナントに入る大きなモール、靴屋の店員、子供服の店員
店のアルバイト、片っぱしから誘い寝てみた
心の隙間が埋まる事もなく
一人との関係がばれると、集団に呼び出しをくらう
「あんたさ~一体何考えてるの!誰かと付き合う気あるの?」
「まあ、この状況で選べるわけないよね」
そう話した私に、一人がグラスの水をぶちまけた
ドラマや漫画でもあるまいに、そんな光景が本当にあると思わなかった
あまりに唐突で、つい笑ってしまう私に、皆愛想をつかした
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