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見つけるに苦労した。
なんたってレイの家から5キロ離れた海岸沿いの公園まで走っていたのだから、トムとジェリーの心境がなんとなくわかった、気がする。
ブランコに座り、ずっと俯き加減に泣いていた。
「あー…えっとぉ…」
私は女性の涙に弱い、今もだけど。
「あのさぁ…訳聞かせてもらうには…あー…どうするか…」
カシも弱い。
トモが落ちついて、子供を諭すように
「メグ、本当にレイを…いじめてたの…?」
それに呼応するかのように、まるで駄々をこねる子供が如く
「違うっ私じゃないっ…一番の親友のレイいじめるなんて、したことないっ…お願い……信じて……」
その怒涛とは違うか弱い口調により暫く沈黙したのちに更なるか細い口調でメグは語る。
「ここね…小さい時レイと一緒に自転車で遊び来てたの…捨て猫がいてね、どっちの家も…飼えないから、二人で、ここで飼おうって、なって…ご飯とかおかしとか、おいしそうに食べて……後で知らない人に拾ってもらったんだけど…その時ね、
レイと約束したの…『これからも二人で一緒に動物の世話できたらいーね』って………私嬉しくって、レイとならずっと一緒にいたいって心のそこから……そんなレイを…いじめるなんて…お願い………信じて………」
それで充分だ。
「俺は信じるぜ」
女性の涙に弱いがそれと関係無く、メグの否定を支持したいと思っていた。
なぜかはわからない、が、どうにも引っかかる。
自殺現場の違和感、
遠山キョウコの言動、
短い過ぎる遺書、
そして、メグの必死の訴え。
絶対に、なにかある。
わからないけれど、真実を、暴きたい。
そして、メグとレイの救いたい。
そういう衝動が、最優先に蠢いていた。
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