第一話「カゴメ」

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そんな頭がお花畑なまっつんを自在に操る知将、コージーはまさに救世主な訳である。 まっつんのターゲットは常にコージーなので、尾行時に隠れる時にまっつんの視線は私に向かなくなる。 コージーは頭が良いので尾行時はまっつんとたわいない話をする事を欠かさない、あくまで自然に、ごく普通の通行人を演じてくれるだろう。 動きがあったのはパンと牛乳を本気で買ってくるかなと思った矢先だった。 いそいそと表に出ていく、相変わらずな美貌にスタイルは間違いない、遠山キョウコだ。 そういえば自転車や車で移動したらどうしようかという不安に襲われたが、どうやらそれはないようだ。 何故か、それは上下薄桃色のスラックス、野球帽、耳元にはヘッドホンとまさに運動しますといわんばかりの格好だった、今思えば賭けに近いような張り込みだったような、まぁ行き当たりばったりは常だったから。 時計をちらりと見、軽やかに走り始める遠山キョウコ。 それを追うように、ばれないように後をつける。 想像以上にしんどいだろうけど、まぁすぐにやめるだろうと思っていた。
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