第一話「カゴメ」

17/47
前へ
/145ページ
次へ
突然胸に振動が起きた。 丁度乳首あたりに当たっていたからか、ややマヌケな声をあげたような気がする。 ポケットベルだ、こいつの振動は心臓に悪い。 当時はポケットベルが主流だった、今の携帯電話に代わる学生達の必需品であった。 「可愛い声をだすんだな…で、誰からだ?」 聞こえていたらしい。 「うっせ、ちょっとまっ……!?」 驚愕した、まさかこんな身近にこんな事をやっていたのかという、驚愕だった。 『ウワサ ?バイシユン ?レンラクシロ ?リユー』 この時、リューの噂程度の伝言に仮説が立証されようとは、思いもしなかった。
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加