第一話「カゴメ」

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ぺちんと膝を叩き、待ってましたと言わんばかりに唾が飛ぶ。 「よく聞いてくれました!コージーは学校、なんか呼び出し食らったってキレてんよぉ、んでー…まっつんはその連れ、んで~…リューとトモは知らね」 まぁ、まともな情報なんてこんなもんだ、カシ「ならば」。 コージーこと窪田コウジと、 まっつんこと松平ケンゴは私と違う学校に通うがこちらも典型的不良少年。 まっつんは側面に円形ハゲがある坊主頭だが体がごっつくうち等の中では腕っ節が強い。 頭が悪く変な口調だがどんな劣勢でも義理は通す事に関してはピカイチな奴だ。 その彼が足りないものを補う役割を果たしているのが頭脳明晰なコージーである。 痩せていてロン毛、長ランを羽織りいつも禁煙パイポを咥えている、確かチュッパチャプスが流行り出した時にはそれに変わったような気がする。 まぁ早い話、ジャイアンとスネ夫をイメージしてくれればいい。 この二人はいつも二人で行動していたが、ある事をキッカケに居心地いいのかわからないがいつの間にか一緒に行動する様になった、その事は、まぁ別な話。 黒髪でオールバック、常に革ジャンサングラスな一人武装戦線、リューこと瀧川タツジはカシととても仲が悪い。 犬猿の仲をまさに表しているが如く事ある事に衝突をする。 例えば、恋愛に関しては純情なカシと、大変女性関係が激しいリュー、こんな二人が一度恋愛観をかたるならば、平穏無事に終わる事は極めて奇跡、世界が平和になるくらいの奇跡である。 それでも連んでいるのは、私の知らないであろう二人の間の友情が厚い事なのだろう。氷山の一角の如く小さいが海中では大きい、みたいな。 ちなみにこの二人が喧嘩して仲裁にはいるのは決まってまっつんだ。私とコージーでは余計に事態が収まらない、というか、参戦してしまうのだが。 入学式での事件(犬も食わぬ「誰が一番強いか?」という若気の至りイベント)で知り合った、この話は割愛。 最近絡んできているトモこと柏木トモカは違う学校に通う普通の女子学生だ。 ちいさい体に肩まで伸びたセミロングで、私等との接点はまったくないまま生活すればいいものの、ある事件で一緒につるむようになった。 これも、別な話。
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