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「アレー?なんでいんのー?」
ひっそりと静まり返った現場とはかけ離れた、頭の悪そうな聞き覚えのある声がした。
「うえ!?トモ!?」
明らかな動揺をするカシ、泡が飛んで行くのが目に着いた。
柏木トモカ…まさかのトモの登場に私もちょっと驚いた。
「おはゆー、ちみーっとびくりしたさね」
セリフのばからしさは相変わらずだ。
ちなみにトモ以外に居た他数人の女学生がやけに怪訝そうな顔をしている、なんとなくカシと一緒にされたくないのでそっとカシから離れた気がする、まぁ私も近寄りづらい雰囲気(怪しい色のベースボールキャップに黒いコート)だからすでに同一視されているだろうが。
そんな視線に苛立ちながらぶっきらぼうにトモに投げかける。
「なんでいる?」
「そっちこそなんでいんのよ?」
と、薄々は感じてはいたが、全く持ってその通りな返事が帰って来た。
事情説明するとトモが呆れ顔で、
「やっぱりねー…あんた達いつもヒマだもんねー」
と手を上げ首を傾げる。
まぁ当然なのだがやはり、
「うっせぇ、てめーらだって一緒じゃねーか」と言わざる得ない、 が、トモのバカな顔は真面目になり、
「違うって…ここで飛び降りたコ…あたしらの同級生なんよ」
この一言に言葉と苛立ちは沈黙させられた。
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