33人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
いつからか願っていた
数えきれない悲しみのなかで
数えきれない苦しみのなかで
降り止まない雨に濡れながら
世界から彩が消えてしまえばいい
この世界から音が消えてしまえばいい
手に入らないものなんて
すべて枯れ果ててしまえばいい
失うわけじゃない
はじめからもっていないのだから
悲しむことはない
私には何もいらないのだから
あの時私がほしかったもの
それは触れたら壊れてしまう砂の城
あの時私がほしかったもの
それは触れたら壊してしまうキミの心…
17年間いろいろなものを捨ててきた。友達も家族もなにもかも。
そして今私は…『柊真白』を捨てようとしている。
この世界に私の居場所なんてないのだから。生きていく理由などないのだから。
そして私は今終わりの扉に手をかけた…
最初のコメントを投稿しよう!