彼女

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半年程彼女は叔父が捕まるその日まで朽ちていく父親と母親を見つめ続けていた。 声をあげる事も 泪を流す事も 罵る事もせず、 只ただ見つめ続けていた。 その日が来た時には既に、彼女は生きた人形の様になっていた。 彼女から生きた匂いはしていなかった。 するのは、むせ変えるほどの死臭だけだった。 彼女は僕に逢うまではずっと…生きた人形だった。 後に知る事になったのは彼女の生きれる時間だった。
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