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でも意見なんて先生に言える度胸なんてまるで無いし、先生は先生なりの考えがあるのかもしれない。
「で? キミはどんな場所にいたわけ?」
「え? あ~……ついこの前までいたのは、雪で真っ白な場所だったなぁ……」
「仲間はいるわけ? いたとしたらキミみたいな一寸?」
「……凶悪なゴリラ女がいる」
「ゴリラ女?」
「直ぐに俺を潰そうとしたりする女だ。この俺様を胸に入れやがるしな」
な!?
胸……それすなわち、おぱーいのことか!?
一寸法師を入れて受け止めれる程の大きさがあるとは、なんとも羨ましい!!
縄で体を縛られたら普通胸が強調されるもんだけど、うちの胸は……。
くっ……。
強調も何もされてねぇっ!!
自分の絶壁の胸を見て嘆きたくなったぜ!!
「持ってきました!!」
涙を更に溢れさせようとすれば、小槌を頼まれた宮城が戻ってきた。
手には頼まれた……ん?
あれ?
「はい!! 吉田さん!!」
先生に手渡したそれって……ただのトンカチぃぃぃ!!!?
先生もそれを普通に受け取ったけど、小槌ってトンカチでいいの!?
トンカチって釘叩いたりする用途じゃないの!?
「じゃあ叩いてみようか」
間違っても生き物を叩く用途なかったよね!?
「お、おまっ!? ままま待てよ!! 待てぇぇぇ!?」
「宗ぅぅぅ!!!?」
先生やりやがったぁぁぁ!!!!
振り上げたトンカチを畳の上に下ろした宗に迷いなく振り下ろしたよ!?
そしてゆっくりとそのトンカチは持ち上げられるのだけど……。
見るのが怖くて反射的に強く目を閉じた。
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