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殺人現場だ……。
いや、地獄絵図が衝立の向こうに広がっているに違いない!!
じわりじわりと畳を赤く染める液体に体をがくがくぶるぶると震わせていれば、何かが倒れる音がした。
平穏が……訪れたのかな?
なんて、現実逃避の願望は直ぐに打ち砕かれるんだけどね。
「僕の娘に何かが起きたのかぁぁぁ!!!?」
この声は小五郎さんか!?
晋作さんの絶叫を聞きつけたらしい小五郎さんが部屋にと飛び込んできたようだけど……。
「ああ。桂さんも煩いね」
「稔麿? これは一体何ごぎゃぁぁぁ!!!!」
二次災害勃発ぅぅぅ!?
再び耳を押さえたくなる程の絶叫……いや、断末魔と何かが噴き出す音が聞こえてきたんだけど!!
そして何かが倒れる音がして……ひ、ひいぃぃぃ!!
血がっ!! 衝立の向こうから流れてきた血が二割り増し!?
藍川直は失禁しながら失神しそうです!!
「ねぇ。起きたのなら部屋を片付けなよ」
なのに、地獄絵図を作り出した魔王はそれを許してくれる程の慈悲を持ち合わせていませんでした!!
足が生まれたての子馬ちゃん状態だというのに、凄惨な現場処理を頼んできますか!?
「早くしないと、キミの屍も転がることになるから」
「喜んで片付け致しますぅぅぅ!!」
やらねば殺られる!?
内心盛大に泣きながら、衝立の向こうに飛び出しましたよ!!
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