鬼退治!!……いえ、鬼畜退治です。

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……これは一体何なのだろうか? 「何じゃここは!? 海!?」 散歩がてら久しぶりに海を眺めに行こうかなぁ、と思いついて、長州に面する母なる海辺に来たはいいが……。 「俺様は雪国にいたよな!? なのになんで海が目の前にあんだよ!?」 ざっぷんざっぷんと、白い飛沫をあげながら押しては引き押しては引きの波打ち際に……。 「意味分かんねぇぇぇ!!」 叫ぶ男の人がいるのです。 “男の人”ならば別に何の変哲もないんだけど。 その“男の人”は……。 「うぉぉぉ!? 津波みてぇじゃねぇか!?」 波を津波に見立てる男の人は……。 「こ……小人!?」 小さいんだよぉぉぉ!! 小人から離れた位置でその小人をしげしげと観察していたんだけど、何度目を擦っても瞬いても、どう見たって小さい!! どの位小さいかというと……あ!! いい例えがありました!! 着ている服もそれらしいし、波打ち際でぎゃあぎゃあと騒いでいる男の人の大きさは……。 一寸法師だ!! お椀に乗って川をどんぶらこどんぶらこと流れ渡り、鬼を爪楊枝で退治し、小槌で元の身長に戻してもらったといい……一寸法師だ!! ……いや、爪楊枝で退治か忘れたけど。 おとぎ話でしか聞いたことのない架空の存在を確かに見てしまい……ヤバい……。 藍川直興奮してまいりましたよ!! 一寸法師は鬼退治をする!! となれば、あのお方も退治してくれる筈だ!! 毎日毎日うちに休む暇なく激務を与え、そしてそれだけでなく、鬱憤晴らしと称してぼっこぼこにしてくるあの鬼を!!
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