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飲食店のバイト先に計量機?
量りがある。
それには三つのボタン?
スイッチがある。
「オン」と「オフ」と、
そして「風袋(ふうたい)」
最近まで「かざぶくろ」だと
思い込んでいたけど、それは今いい。
風袋とは、
本当に読んで字の如くな機能で、
例えばボウルを単体で量りに乗せて
400グラムと表示されたとして、
そのとき風袋のスイッチを押すことで
0グラムに改変することができる。
この利点は、
その後ボウルに入れた素材それだけの
重さを量れるという点にある。
ボウルを無質量な風の袋に変えるのだ。
僕は仕事中ながらも
物思いにふけった。
孤独。
孤立。
独りぼっちを感じたことのある人は
結構多いはずで。
でも独りぼっちなんて
そんなにいないはずで。
よく歌の詞で「君は一人じゃない」
とか聞くけど、聞き飽きたけど、
う~ん。
孤独を感じながら、家族はいる。
それは矛盾が成立してると思う。
友達はいるけど、もっと欲しい。
もっと質の良い友達が欲しい。
独りじゃないのに、
一人じゃないのに、
どうして寂しい淋しい。
どうして既にいる友達や家族を
数えないんだよ僕はどうして。
あと何回、
あのスイッチを押して、
僕は生きていくんだよ。
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