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                         『ご注文 お決まりですか?』 何にしようか迷っていたわたしは 店先に置かれていた黒板に書いてあった「本日のおすすめ」の紅茶を注文した。 『今日はブルーベリーティーになりますけど、よろしいですか?』 『はい。』 そしてニコリと笑ってカウンターの中に戻っていった店員さん。 他に店の人の姿はなく その女性が一人で営業しているようだった。 その日仕事が終わってから 会社の近くの小さなカフェで わたしは諏訪さんを待っていた。 一件だけ打ち合わせが入っていて 少し遅れるかもしれないからと ここで待つように言われたのだった。 今までに何度もこのお店の前を通った事があり カフェだということは知っていたが 今日初めて中に入ってみて アットホームな店内に居心地の良さを感じていた。 少ししてから 紅茶を運んできてくれた店員さんにわたしは思わず 話しかけてしまった。 『素敵なお店ですね。』 『ありがとうございます。』 『おひとりでされてるんですか?』 『ご覧の通り 小さなお店ですから、わたし一人で十分なんですよ。』 そう言ってまた優しく笑った。 わたしの前に置かれた小花柄のティーカップからはブルーベリーの甘酸っぱい香りがしていた。 .
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