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『…待った!』
その瞬間、物凄い力で片手を引っ張られた。
おそるおそる振り向くと、予想通りな人が立っていた。
「佐久間くん…。」
いや、やっぱり前言撤回、そんなに予想通りではなかったかも。
佐久間「…ごめん。
今日部活ないはずだったんですけど、緊急集会があって…。」
「あ、そうだったんですか…。」
佐久間くんのクセにつられて私も敬語になってしまう。
佐久間「…えっと、本当にごめん…。
なんて礼をしていいのやら…。」
「いいですよ、別に!
逆に私もイタズラじゃなくて安心してますし。」
思ったよりしっかりしてるようだ。
佐久間「あ、じゃあおごらせてください。」
「…え?」
佐久間「ちょうど帰り道にファミレスありますしね。」
「いや、いいですって。」
ちょっと、話が急展開すぎやしないか。
しかも、ファミレスって…
普通に気まずいでしょ。
佐久間「いや、でもおごらないとすっきりしないというか、明日死ねるというか…。」
(し、死ぬ!?)
どこまで大胆なのこの人!!
「……………。」
私は驚きのあまり、何も言えなかった。
佐久間「よし、じゃあ決定の方向で!
行きますか。」
(え、ええ!?)
破天荒すぎる…。
そして、流されるまま付いていった私も情けなかった。
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