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「ったく朝からうるせえや……腰痛に響くぜ」
俺の横には、いつも見慣れている顔があった。
名前は月斬 零(つきぎり れい)
名前にふりがながなければ分からないというのがめちゃくちゃ悔しいが今は大目に見てやる。
「ふあぁ……。朝からだりぃや」
名前は厨二病並みに格好良いが、外見は正反対。
一言で言えばオッサン。
本当にオッサン。
雰囲気とかじゃなくてマジでオッサンなのだ。
こいつは絶対年を偽造している。それか10年以上留年している。
髪はボサボサで触ると拡散型爆弾(ふけ)が襲ってくる。
無精ひげは剃らず、眠そうな二重瞼。
シャツは第三ボタンまで開けていて、所々シャツがズボンはみ出ている。
ベルトもゆるゆるで、だらしない選手権で余裕で1位を取れると思う。
「あちいなあ……。あちいよ太郎」
「俺の名はZEROだと言ったはずだ!」
「はいはい。悪かったな桃太郎」
「桃つけやがったな! 明らかに宣戦布告してるよね!? まじなめてるよね!?」
「ふあぁ……。だりぃ」
「うわ! やば! 息臭っさ!」
そう。こいつはとてつもなく息が臭い。蝿とか息で殺せんじゃね? とか思うほど臭い。腐った牛乳とかそういうレベルではない。
やつの滅びのバースとストリーム(臭い息)により一気に萎えた俺は、無言のまま学校まで続く通学路を歩いていった。
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