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「同じ…学校ですね。」
私は自然とそう呟きニッコリと笑った。
「え…」
と、好青年が声を漏らしたのと同じタイミングで
「今の事はおきになさらないで下さい。」
そう言うと
じゃ、また。と別れを告げて歩き出した。
私は、正直人とどう接していいのか分からない。
小学校も中学校も友達は少なかった。
というより限りなく0に近かった。
昔から体が弱い母の変わりに学校が終わるとまっすぐ家に帰り、
家事を手伝っていた。
学校では、いつかお母さんを楽にしてあげようと必死に勉強していた。
そんなんだから私に話かける人も
私を誘ってくれる人もいなくなった。
私はそれで良かった。
お母さんがいれば良かった。
けどお母さんはいつも言っていた。
「あんたはかぁさんの事は気にしないでいいの。あんたはあんたの生きたいように生きなさい。」
しかし私は、
「これが私の生きたい道だよ」
そう伝えた時、母が
涙を流して
ありがとう、ありがとうと繰り返していたのを
忘れる事が出来ない。
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