冬季時々ドキドキ気味

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「りるはってさ~。初恋とかってしたことあんの?」 授業の合間のつかの間の休み時間に友ダチのまぉがこんなことを不意に聞いてきたので、アタシは大好きな細長い棒状のチョコ菓子を吹き出してしまった。ああ、もったいない・・・。 「ン~なたいそれたこと、17年間で一回も経験したことなんかないわよ。」 アタシはついさっき吹きこぼしたチョコ菓子を拾い集めながら、答えた。 「ええ~っ!!それって未だに恋したことがないってコト!?」 まぉは、アタシの返答に驚いたらしく、今度は逆にまぉがチョコ菓子を吹き出した!ああ、またチョコが・・・。まぉが吹き出したチョコ菓子を拾う手伝いをしながらこう言ってやった。 「じゃあさ、逆に聞くけど、人生で一度も恋愛をしないからなんなのさ?」 アタシは意地悪そうな顔をしてまぉに問いただした。チョコ菓子を拾い終え、新たなチョコ菓子を食べようとしていたまぉは 「いやいや、今は幼稚園児だって、立派に初恋を経験してんのよ?なのに、アンタは未だに恋してないなんて・・・。これってヤバいと思うよ。うん。」 まぉは盛大にボリボリとチョコ菓子をかみ砕く音を奏でると、人差し指で人を指すようにチョコ菓子をアタシに向けた。アタシは身を乗り出して、まぉが向けたチョコ菓子をバキッ!とワニの如く前歯を立ててかじりついてみせた。 「いやいや、そんなこと言われましてもね~。出来ないモンは出来ないんだから、そりゃしょ~がないでしょ。」 アタシはまぉが向けたチョコ菓子をほお張りながら両手をヒラヒラと振った。 「てゆーか、そ~言うまぉはど~なのよ?」 今度は逆にアタシがチョコ菓子をまぉに向けた。まぉはフフン♪と鼻を鳴らすと、自慢げにこう話した。 「あるわよ!声優の松川さん!!」 そ~言うと思った ・・・。
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