ハニーちゃん、発見!

4/16
1298人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
教室に着いて、先陣切ってガラッと扉を開けると……予想通り知ってる顔ばかり並んでいた。 やっぱり、俺の未来のハニーちゃん候補なんておるワケないよな……。 はぁ、と溜息をこぼしながら、黒板に書かれていた自分の席につこうと歩き始めた俺。 目的の方向へと視線を向けた瞬間──、 時間と心臓が止まったかと思った。 窓際に座っているその人物に、目を奪われてしまう。 陽光の下にいるのが不自然なくらい、白く透き通った肌。 煌めきを放つ艶やかな黒髪。 長い睫毛に縁取られた意思の強そうな吊り気味の目、それにぷるんと潤いのある唇が印象的な美形。 はかなげで、しとやかで……… 着流しが似合いそうな、涼しげな和風美人。 ……いや、男物の制服を身に付けているとこからして相手は俺と同じ男。美人って形容するのはおかしいのかもしれん。 せやけど、んなことはどうでも良くなるぐらいのドストライク! 生まれて初めて感じる、息苦しいくらいの胸のトキメキ。 こんなに綺麗な奴、初めて見た……っ! (俺のハニーちゃん候補、発見っっ!!) そいつを初めて見た時、俺は一目で恋に落ちた。 俺が窓際の1番後ろで、そいつが俺の前の席。 席が前後だなんて、なんちゅう幸運なんや! これはもう運命としかいいようがない。 俺の捜し求めてたハニーちゃんは、絶対にこいつや!! ……あーあかん、一刻も早く話しかけたい。 どんな声で、どんな表情で返事してくれるんやろ。 ドキドキする……!image=416838753.jpg
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!