第0話 突然何を言いだすのか。

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だが最近、そんな私の穏やかな時間をぶち壊しにくるヤツがいる。 「中村さーんっ!」 今日もヤツが来た。 私は返事もせずに黙々と本を読み続けた。 「中村さん、今日は何の本読んでるのー?」 ヤツは私の前でしゃがみこみ、本を覗き込む。 チャラチャラした外見のヤツは、私の苦手な部類だった。 「あんたには関係ないでしょ。」 そう言ってヤツの顔も見ずに、覗き込むヤツの頭を手で押しのける。 「今日も冷たいなー、中村さん。」 楽しむようにケタケタ笑いながら、ヤツはいつもそう言う。 「てか中村さん、俺の名前呼んでよ。」 「…何で」 「だってその方が嬉しんだもん!」 「……」
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