第0話 突然何を言いだすのか。

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冷たくあしらっても、ヤツだけはしつこく私に付きまとってくる。 何なんだコイツは。 私の読者の時間を毎回邪魔するなんて。 「…竹田」 私はヤツの顔を見ながら呼んだ。 「なァにっ?」 名前を呼ぶと、嬉しそうに人懐っこい笑みを浮かべた。 「…早く私の前からいなくなれ」 「…えー…」 それだけ言ってまた本に視線を戻した。 竹田の残念そうな顔は、この際見ていなかったことにする。 …ホントめんどくさいなコイツ。 「ねぇ、中村さん」 無視か、コイツ無視か。 さっきいなくなれ、と言っただろう。 「俺、中村さん好き」
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