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pipipipipipi!
目覚ましの音が部屋に響く
その部屋には一人の少女が眠っていた。
この物語の主人公―――櫻木深月である。
「ん…またあの夢か」
深月は暫く窓から差し込む光に目を細くし、学校行かなきゃ…と呟いて布団から出る。
そして寝間着を脱いで新しい制服に手をかけた。
なぜ新しいかというとあることが原因で転校したからだ。
身体中には痣がたくさんある。
深月は前の学校ではイジメ、親からは虐待を受けていた。
それを見かねた祖父母が私を引き取ったのだ。
制服に伸ばしていた手を止める。
深月は夢のことを思いだしていた。
それは突然始まったんだ。
別に私が何かしたわけじゃない。
「思えば…あの頃からすべてを諦めていたのかもしれないね…ま、もうどうでもいいか。どうせ私には必要としてくれる人なんかいやしないんだから」
そう言って深月は自嘲して笑った。
その笑みは、どこか寂しげで、それでいて儚さがあった。
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