始まりの予兆

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双谷の部屋に着いた三人は、何をする訳でもなく最近の事や面白かった話等で盛り上がっていた。 すると、ノックをされて一人の人物が入ってきた。 「お、盛り上がってるなー。飲み物持って来たから飲んどけー」 「ありがと兄貴。此処に置いておいてくれ」 そう言いながら双谷は三人に囲まれている少し小さめのちゃぶ台を示した。 そして今入ってきたのが双谷の三つ上の兄の相田 将司(あいだ まさし)。 頭を金色に染め軽く立たせていて、目が少し吊り上がっている物の、顔全体は穏やかな表情が特徴。 大学に推薦を受けたが、面白くないからという事で大学を中退。 今は興味を持った仕事をするというフリーター生活をしている。 机に飲み物を置いてから将司は開いているスペースに座る。 「何で兄貴も座るの?」 何となく理由は判るものの、一様双谷は聞いてみる。 それを当たり前の様に将司は答えた。 「いつも言ってるだろ。こっちの方が面白そうだからだって」 やっぱりかと、三人は思わずため息を付いた。
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